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【近世編12】江戸時代における諸産業の発達と経営発展【高校ぐらいの日本史】

江戸時代には様々な産業が発展を見せ、また街では経営も発展し栄華を誇りました。今回は為政者目線というよりは、町や農村に暮らす、平民目線でみてみると理解が深まるかもしれません。

鉱業・鉱山業

  • 鉱山の技術は治水・灌漑にも応用された。

金/銀

  • 江戸時代初期に生産増大
  • 銀生産量は世界有数で、東アジア貿易の主要輸出品となる
    • 17世紀中頃に生産減少
  • 金鉱山:佐渡相川/伊豆の各地
  • 銀鉱山:但馬生野/岩見大森/出羽院内

  • 17世紀後半、金銀に代わり生産増大
  • 長崎貿易最大の輸出品
  • 銅鉱山:出羽阿仁/下野足尾/伊予別子

  • 中国地方で足踏み送風機によるたたら製鉄を行う←出羽の砂鉄などを利用
  • 日本刀などに用いる良質な鉄を玉鋼[たまはがね]と呼ぶ

農業

  • 新田開発が進む(特に江戸時代前半)
    • 初期は代官見立新田が中心(代官が開発適地を見立てて開発)
    • 中期以降は町人請負新田が中心となる
      • 例:大坂川口新田/紫雲出潟新田/鴻池新田など
  • 技術の進歩
    • 大規模な治水灌漑
    • 農具の変化
      • 備中鍬(深耕用)/唐箕・千石簁(選別用)/竜骨車・踏車(灌漑)/千石扱(脱穀)など
      • 唐箕は風力で、千石簁はふるいで選別。
      • 千石扱は後家倒しとも呼ばれた。
    • 薬品
      • 刈敷など従来の時給肥料が不足する。
      • 都市近郊では下肥・商品作物生産の場では金肥(干鰯/油粕/〆粕などの購入肥料)が普及
      • 農薬として鯨油が普及
  • 商品作物生産が盛んになる。
    • 技術進歩で単位面積の収穫量増→小農経営(狭隘地に労働力を注ぎ込み利益を出す)が発達
    • 主な商品作物
      • 四草三木(桑/草/楮[和紙の原料]/漆/紅葉/藍/麻)
      • 衣服の原料(桑/麻/綿)など
    • 各地に特産品が生まれる
      • 近江・摂津・河内の菜種/薩摩・琉球黒砂糖/讃岐の砂糖/山城・宇治・駿河/出羽(院内地方)の紅花/越後・出羽の青苧/阿波の藍(藍玉)/薩摩の煙草/備後の藺草/会津の漆/紀伊のみかん/甲斐のぶどう など
    • 農書が発行される
      • 宮崎安貞『農業全書
      • 大蔵永常『交易国産考』『農具便利論』
      • 伊予国『清良記』…など
    • 農村を拠点とした在郷商人が出現する

林業

  • 木材を切り出す山のことをと呼ぶ
  • 尾張藩木曽檜/秋田藩秋田杉 など
  • 刈敷や薪・秣(牛馬のエサ)を供給
  • 木炭生産…紀伊(備長炭)/摂津(池田炭)/熊野/伊豆/下総など

漁業・水産業

  • 網漁法(上方漁法)が上方漁民によって広まる
  • 地引網・船引網・定置網など大規模漁業
  • 土佐の鰹/広島のカキ/紀伊土佐肥前捕鯨/江戸湾の海苔/九十九里浜の鰯
  • 蝦夷地の酒/鰊/昆布などは北前船で運ばれる
  • 江戸中期(田沼時代)主に中国向けの輸出品として俵物を生産(ほしあわび/いりこ/ふかひれ)

手工業

  • 都市では職人(独立した手工業者)が業種ごとに仲間を作る
  • 織物業
    • 木綿織物…三河和泉河内が主産地。小倉縮/久留米絣などの工芸品
    • 絹織物…高機導入で高級織物の生産拡大
    • 麻織物…越後小十谷縮/奈良晒/近江晒
  • 染色業
  • 食器生産
  • 醸造
    • 醤油…下総銚子/下総野田/播磨竜野
    • 清酒…山城伏見/摂津伊丹/摂津/池田
  • 製塩業
    • 17世紀中期瀬戸内海沿岸中心に揚浜式に代わり入浜式塩田が発達
  • 製紙業
    • 流し漉きの技術
    • 越前(←奉書紙で有名)/美濃

商業

  • 問屋制家内工業が発達
  • 流通
    • 蔵物(各藩の蔵屋敷に贈られる)と納屋者(一般商人の荷物)があり、どちらも問屋が支配
    • 卸売市場
      • 米:大坂堂島
      • 魚:大坂雑魚場/江戸日本橋
      • 青物:大坂天満/江戸神田
  • 問屋や仲買は(株)仲間を作り営業独占権(=株)を得る
    • 株仲間は「仲間掟」(独自の法)を定める。幕府は17世紀に運上冥加を徴収し公認。
    • 主な問屋仲間:大坂二十四組問屋/江戸十組問屋
  • 貨幣
    • 三貨… 銀貨〈秤量貨幣〉/金貨〈計数貨幣〉/銭貨
      • 銀座/金座/銭座で鋳造発行
      • 金座の主宰:後藤庄三郎
      • 西日本は銀使い、東日本は金使い➾両替商が重要な役割
        • 両替商は金銀交換/銀行業務の本両替や、金銀と銭との銭両替を行う。
    • 藩札…藩領内で流通
    • 田沼時代には南鐐二朱銀(計数貨幣の銀)が発行される
  • 主な大商人
  • 小売商人は常設店舗から振売まで様々な形態をとる

交通網

  • 五街道(東海道/中山道/甲州道中/奥州道中/日光道中)と次ぐ脇街道
  • 施設
    • 宿場…本陣/脇本陣(大名用)・旅籠(一般用)・木賃宿
    • 関所…東海道の箱根・新居など
      • ※入鉄砲に出女を厳しく取り締まる
    • 一里塚…日本橋を基準に一里(約3.927km)ごとに築かれる塚。
  • 角倉了以高瀬川を開削、富士川などを改修
  • 南海路(江戸~大坂)…菱垣廻船と廻船
  • 川村瑞賢が東回り航路(江戸~東北)、西回り航路(東北~大坂~江戸)開発
  • 飛脚制度
    • 継飛脚(幕府公用)…江戸京都間を約2日
    • 大名飛脚(諸藩専用)… 〃約2日
    • 町飛脚(民間経営)…〃 約6日
    • ※江戸京都間は普通の旅では20日ほど